転職のタイミングはいつがいい？最適な時期を逃さないコツ

転職のタイミングは、求人数が多くなる1月〜3月・8月〜9月、ライバルが少なく即採用が多い5月〜7月、ボーナスをもらってから退職ができる4月〜6月・10月〜12月と、さまざまあります。

この記事では、業界ごとの転職のタイミングと、ベストな転職のタイミングを逃さないコツについて紹介していきます。

市場全体の転職動向と時期の特徴

転職する最適なタイミングは、市場全体の動向や時期の特徴によって異なります。

各月ごとに転職しやすいタイミングや求人数が増えるタイミングが違うので、確認していきましょう。

1月～3月・8～9月

1月～3月・8月～9月にかけては、中途求人が増えるタイミングだといえるでしょう。中でも1月〜3月は、第二新卒におすすめの転職のタイミングです。

なぜかというと、急な欠員補充や新規プロジェクトに伴い即戦力を採用する企業が多くなるためです。しかし、求人数が増える分ライバルも多くなるため選考を通過するのが難しくなる可能性もあります。

5月～7月

5月〜7月は、求人数や転職者が比較的少なくなる時期です。そのため、異業種転職がしやすい時期となります。この時期に求人を出している企業は、4月に入社した人材がなんらかの理由で退職し、ポストが空いている場合が多くあります。そのため即採用のチャンスがあるといえるでしょう。

4月～6月・10月～12月

4月〜6月も同様に求人数が少なく転職者が少なくなる時期になるため、異業種転職がしやすい時期になります。また、10月〜12月は下半期に入る企業が多いため人事異動や人員の補充をする企業が多くなります。そのため、人員増強で求人を出す企業が増え、転職を希望する人材が動きやすい時期です。また、夏と冬のボーナスをもらってから退職できるタイミングでもあります。

年代別・転職のタイミング

各年齢別でも、一年間でより転職に適しているタイミングは異なります。

20代、30代、40代の転職に適した時期を見ていきましょう。

20代は1〜3月

1〜3月は、さまざまな企業において求人が増える時期です。その分ライバルが多い時期でもありますが、20代なら若い人材を求める企業にとってメリットの多い採用となるため、十分チャレンジできるでしょう。

また、1〜3月に転職先が決まれば、4月からの出社も可能となるため、入社後のオンボーディング（企業側が新規採用者を受け入れる際の教育等の諸活動）がスムーズになるという利点もあります。第二新卒なら、企業の新入社員研修にも参加できるかもしれません。

30代はライバルが少ない時期に

30代の転職では、20代ほど「若さ」や「ポテンシャル」での自己アピールが効果的ではなくなります。その分、「前職での実績」や「ビジネススキル」によって即戦力としての魅力を伝える必要があります。

よって30代の転職では、数多くの求人に埋もれてしまわないように転職市場が活発化する1〜3月、8〜9月はあえて避けることをおすすめします。ただし、自身のキャリアにあった求人探しは常に行うようにし、いつでも応募ができるような準備は必要です。

40代は求人市場の動向よりも自身のタイミングが大切

40代の転職となると、現在の職場を退職するのに期間や手間がかかる可能性があります。有給を消化しなくてはならなかったり、社内の引き継ぎも計画的に行わなくてはなりません。

そのため、40代の転職では、求人市場の動向によってタイミングを決めるのではなくそれぞれの「転職できるのはいつ頃か」を逆算した方が良いと言えます。

求人が増えるタイミングで転職すべき？

求人数が多くなる3月・9月頃は、新しい期が始まるタイミングのため社員の受け入れ体制が整っている可能性が高いです。それなら、3月・9月が転職をするタイミングとしてベストなのでしょうか？その答えは、実は一概には言えません。

求人数が増えるということはつまり、多くの人が求人に応募をするタイミングでもあるためライバルが増え、転職したい企業の倍率が上がる、という見方もできるためです。

「同業種に即戦力として転職するか」と「別業種に未経験として転職するか」によって考え方が変わります。以下から詳しく解説いたします。

即戦力となれる人は求人が多い時期に

スキルや技術をもっている人であれば、時期に関係なく企業が積極的に採用することが想定されます。そのため、行きたい企業が求人を出すタイミングや、求人数が多くなるタイミングに転職活動をするのが良いでしょう。

新しい業界に行く人はそれ以外の時期に

新しい業界に転職する場合は、スキルや技術が備わっていないためライバルが少ない時期に転職することをおすすめします。20代であれば、ポテンシャル採用で求人数が多い時期でも採用される可能性がありますが、スキルのない30代以降は苦戦するかもしれません。

業界によってもタイミングは違う？

ここまで一般的な転職活動のタイミングについて紹介しました。次は業界別での転職ベストタイミングについて解説していきます。

業界によって転職の狙い目は異なります。自分が希望する業種に合わせて、適切なタイミングで効率的に転職活動をおこなっていきましょう。

旅行業界

旅行業界の転職が活発化する時期に関しては、年度始まりの4月や下半期がスタートする10月頃など一般的な転職市場と同じです。転職を狙うタイミングもほとんど変わりません。

8月や12月などの長期休暇期間、イベントが多い時期はライバルが少ない時期なのでおすすめです。また、旅行関係の資格の勉強をしている場合は、資格取得後に転職活動を始めて履歴書に書けるようにしましょう。

教育業界

教育業界は他の業界と異なり年度単位で業務の切れ目があるため、教師の転職は3月〜5月に集中します。学校だけでなく教育関連企業でも年度の始まりに合わせてスケジュールを組んだり事業を始めることが多いため、転職を希望している教員の方と転職先の会社の都合を考えると、特に4月頃が転職のタイミングといえるでしょう。

そのため、12月か1月頃には選考を進めておくなど、できるだけ時間に余裕をもって転職活動を進めていくことをおすすめします。

サービス業界

サービス業では業種によって繁忙期が異なるため、希望する業種の繁忙期を把握しその時期を避けたタイミングで転職活動をおこなうのがおすすめです。例えば、飲食業などは夏休みがある8月や12月頃が繁忙期となるため、その時期を避けた10月〜11月頃がベストタイミングといえます。

IT業界

IT業界は慢性的な人材不足となっているため、1年中採用活動をおこなっているという企業も多いです。IT業界は、他の職種と比べると時期に関わらず転職しやすい職種といえます。そのため、一般的に転職に適していると言われている2月〜3月、9月〜10月頃が転職に適したタイミングといえるでしょう。夏のボーナスが支給されてから退職したいという方は、9月〜10月頃に向けて転職活動を進めていくと良いです。

外資系企業

外資系企業は1月から会計年度がスタートするため、新しい年度をスタートするにあたって人材の採用を活発におこなう10月〜12月頃を狙うと良いでしょう。しかし、外資系企業でも年度末のタイミングを日系企業と合わせておこなっている企業もあるため事前にしっかり調べておきましょう。

ここには書ききれませんでしたが、不動産業では1月〜3月が繁忙期となるため、4月〜11月頃がベストなタイミングといえるでしょう。ほかにも、医療系、特に看護師などでは、4月に向けて求人数が増加する1月頃に転職活動をすることをおすすめします。

転職するのに悪いタイミングはある？

転職活動を避けるべき悪いタイミングを主に五つご紹介します。

• 転職先の繁忙期
• 生活環境が大きく変わる予定がある時期
• 転職してすぐの時期
• 景気が落ち込んでいる時期
• 現職の人手が足りていない時期

以下にて、詳しく内容を見ていきましょう。

転職先の繁忙期

旅行業界であれば大型連休前や年末年始、不動産業では1月〜3月頃など、希望する業種の繁忙期となる時期は、スタッフの不足などにより十分に指導を受けられないことが考えられるため、このタイミングはできるだけ避けましょう。

生活環境が大きく変わる予定がある時期

結婚、妊娠、出産、育児など大きく生活環境が変わり、仕事にも影響する予定があるタイミングの転職活動は避けた方が良いでしょう。特に自身やパートナーが妊娠中の場合は、今後産休や育休に入ることが予想され、負担の大きい中での転職活動となってしまいます。

転職してすぐの時期

前回転職してからまだ一年経っていないタイミングでは、企業側から「仕事が長く続かない人」と思われてしまい採用の可能性が低くなってしまいます。早期転職が一概に悪いとは言えませんが、希望転職先の採用を勝ち取るためにはできるだけ一年以上の経験と実績を積み重ねておくと良いです。

景気が落ち込んでいる時期

希望する企業の業績が悪化しているタイミングは、求人が減少する傾向があります。希望していない企業に妥協して転職する場合は、入社後のミスマッチにつながる可能性が高いため、希望する企業の景気回復の様子などを調べながら徐々に転職活動をおこなうといいでしょう。

現職の人手が足りていない時期

現職の人手が足りていないタイミングは、残った従業員の業務の負担が大きくなるため、上司から転職を止められる可能性が高くなります。人間関係など特別な理由により早く辞めたいと思っている場合は別ですが、できるだけ人手不足の状況での転職は避けましょう。

ベストな転職のタイミングを逃さないコツ

ここまで、ライバルが少ない時期など業種や年齢によるベストな転職タイミングについて紹介しました。

しかし、現在は新型コロナウイルスの影響や日本全体で不景気が続いていることにより企業が人手不足に陥り、求人数が増加し転職市場が活発化しているため、時期を問わず自分が転職したいと思うタイミングで転職活動を進めていくことがベストです。

自分が希望する良い求人を見つけたときにすぐに動けるよう、いずれは転職したいと思い始めた時点で求人情報にアンテナを張り、あらかじめ準備を進めておくことをおすすめします。

普段から転職に向けた準備をしている人とそうでない人とでは、結果が大きく異なるはずです。特に大手企業などの人気企業は求人募集期間が短い傾向があるのでタイミングを逃さないようにしましょう。

転職のタイミングは転職エージェントと一緒に考えよう

転職活動をはじめて希望する転職先に入社するまでには、最短でも3ヶ月はかかるといわれています。転職を希望する時期から逆算してだいたい3ヶ月前には転職エージェントに登録し、自分にとっていつがベストな転職タイミングなのかを転職エージェントと一緒に考えていきましょう。

最近ではオンラインで面談できるところも多いので、忙しい方でも効率的に転職活動を進めることができます。どの転職エージェントが良いかわからないという方は、おすすめの転職エージェントを紹介してくれるサービスも利用すると良いでしょう。

まとめ

最適な時期を逃さないための転職のタイミングについて紹介しました。一般的に転職市場が活発化する時期は決まっていますが、最近では人手不足により時期に関わらず求人を出している企業もたくさんあります。

また、転職希望者一人一人置かれている状況は異なるため、一般的な転職ベストタイミングにとらわれることなく、自分の気持ちや環境に合わせて転職活動を進めていきましょう。

まずは転職の理由が収入アップのためなのか、現職の人間関係によるものなのかなどを分析します。良い求人が見つかった場合にすぐに動けるよう、日頃から求人情報にアンテナを張っておくことが大切です。

自分で適切な時期を見極められないという方は、転職エージェントを積極的に活用していきましょう。どの転職エージェントを活用すればいいかわからない方は、転職エージェント紹介サービスを利用することをおすすめします。